中小企業診断士 一次試験 令和四(2022)年度 「E 経営法務」の解説

E 経営法務

問題(PDF), 解答(PDF)

第1問

株式を併合は、既存の株主が不利益を被る場合に対処するため、株主総会の特別決議が必要になる。

第2問

監査役は中立性が重要であるので、恣意的な選任を避けるために任期の短縮が認められていない。

第4問

  • (ア)H30年度第一問に似た選択肢がある。資金調達の方法には債券と株式があるが、「出資による資金調達」とは株式発行のこと。出資金は原則として全額を資本金に計上する。また、合同会社は出資額のいくらを資本金とするかを業務執行社員を決めれる。
  • (イ)合同会社では、法人が業務執行社員となることはできるが、実際にその業務を執行する社員を選任する必要はある。
  • (ウ)合会社の社員は二名以上が必要。
  • (エ)株式会社と合同会社の社員はすべて有限責任。合名会社ではすべて無限責任。合資会社では有限責任と無限責任が混在している。

第5問

設問2
  • (ア)買取請求権は、あらゆる組織再編の方法において認められている。
  • (イ)事業譲渡も吸収分割も、契約書に定めた効力発生日に効力が発生する。
  • (ウ)事業譲渡は取引に相当するので、書類の備置は不要。
  • (エ)説明が逆で、債権者保護手続は事業譲渡にはなく、会社分割にはある。

第6問

設問1

(ア)この説明は非公開会社ではなく公開会社である場合のもの。

設問2

(ア)株式会社の絶対的記載事項は「目的」、「名称又は商号」、「主たる事務所又は本店の所在地」、「発起人又は設立時社員の氏名又は名称及び住所」、「設立に際して出資される財産の価額又はその最低額」、「発行可能株式総数」である。

第12問

  • (ア)四つの産業財産権のうち、特許権、実用新案権、意匠権の三つは存続期間の起点が出願時となっている。一方、商標権は登録時が起点。
  • (ウ)実用新案法では「物品の形状、構造又は組合せに係る考案」を保護している。
  • (エ)「事業者は特許を侵害していないかぐらいは事前に調べるべき」というのが法のスタンスなので、特許侵害は過失推定される。実用新案は数が多いので過失推定されない。

第13問

パリ条約に基づく優先期間は、意匠権と商標権では6ヶ月、特許権と実用新案権では1年と定められている。

第14問

特許法第30条には、「新規性喪失が特許を受ける権利を有する者の行為に起因する場合には、出願から30日以内に例外規定の適用を受けることができることを証明する書面を提出する」という規定がある。

第15問

著作権は著作財産権、著作者人格権、著作隣接権の三種類があるが、このうち著作者人格権は文字通り著作者の人格に裏付けられたものであり、授受できない特殊な権利である。

第17問

独占禁止法が禁止する「不公正な取引方法」には、共同の取引拒絶、不当廉売、優越的地位の乱用、差別対価、再販価格の拘束がある。

第18問

(ア)共同相続とは、相続人が複数いる際に分割相続する前の段階のことで、この段階では遺産は共有状態とみなされる。相続回復請求権の時効は、「人の生命又は身体を害する不法行為」と同じ。

第19問

(ウ)民法に「保証契約がその内容を記録した電磁的記録によってされたときは、その保証契約は、書面によってされたものとみなす」という規定がある。一方で電子署名は不要。

第20問

(ア)

差押禁止財産とは具体的に、

  • 66万円までの現金
  • 債務者等の生活に必要な衣服や寝具、家具、台所用具、建具
  • 債務者等の1か月分の食料や燃料
  • 債務者の職業で必要な器具やその他の物
  • 実印、職業又は生活で必要な印鑑

が対象となる。このような生活に最低限必要な財産を奪うことはできない。

(ウ)

民法第510条で「債権が差押えを禁じたものであるときは、その債務者は、相殺をもって債権者に対抗することができない。」と定められている理由は、条件を付することは相手方の地位を不安定にし、期限を付することは相殺の遡及効により無意味となるため。

第21問

相続問題はパズルのようで面白い。この問題のポイントは次の通り。

  • 相続の資格を持つのは、原則として配偶者、子、直系尊属、兄弟姉妹
  • 被相続人の子孫の配偶者には、被相続人との血の繋がりが無いので相続されない
  • 相続人が死亡している場合、その子が代襲相続する
  • 被相続人の死亡時に胎児が相続人である場合、死産なら相続せず、生きて生まれれば相続する。このため、相続手続きは出生を待つのが一般的である。

中小企業診断士 一次試験 令和四(2022)年度 「F経営情報システム」の解説

F経営情報システム

問題(PDF), 解答(PDF)

第1問

2.4GHzの電波は遠くに届きやすい反面、干渉を受けやすい。対照的に5GHzは遠くに届きにくく、干渉を受けにくい。

  • (b)11gは2.4GHz帯。11gと同じ54Mbpsで5GHzなのは11a帯。
  • (c)Bluetoothの電波は2.4GHz帯なので電子レンジ等からの干渉を受けやすいが、周波数ホッピングによって対処している。

第3問

Perlは国際規格ではなく、開発者はアメリカ人のLarry Wall氏。RubyはISO/IECの国際標準規格であり、開発者は日本人の松本行弘(Matz)氏。

第8問

  • (ウ)と(オ)は用語と説明が逆。
  • (エ)TLDはGeneral TLDとCountry Code TLDに大別される。

第12問

  • (c)選択肢はマイグレーションを説明した文である。リファクタリングとは、ソフトウェアの挙動を変えることなく、その内部構造を整理すること。
  • (d)と(e)は説明が逆。

第13問

システム開発の方法論についての設問だが、カッコいい名称を付ける割には具体性が無いという印象だ。

(ウ)と(オ)は説明が逆。

第14問

  • (c)更新前のトランザクションログを用いてシステム復元をするのがロールバック、更新後のトランザクションログを用いるのがロールフォワード。
  • (d)列指向DBMSは列方向(縦)のデータをまとめて処理するのに長けている。

第18問

  • (ア)トレッドウェイ委員会支援組織委員会(Committee of Sponsoring Organizations of the Treadway Commission, COSO)とは、企業の不正行為に対応するための仕組み。IT サービスマネジメントのベストプラクティス集とはITIL(Information Technology Infrastructure Library)のことである。
  • (ウ)情報マネジメントシステム認定センター(ISMS-AC)が運用しているITSMSの適合性評価制度の認証を受けると、認定マークを取得できる。

第19問

AC(コスト実績値)が費用、EV(出来高実績値)が収益を表すと捉えればよい。コスト効率指数(CPI)やスケジュール効率指数(SPI)は財務指標分析のようなものだ。

第21問

(e)機密性(Confidentiality)、完全性(Integrity)、可用性(Availability)は情報セキュリティの3要素CIAのこと。RASISとは文字数が異なるので明らかに誤り。

第22問

(c)と(d)は説明が逆。

第23問

あるサイコロが正常かどうかを調べたいとする。正常なサイコロであれば、1の目が出る確率はp=1/6、正常でなければp≠1/6である。このとき、帰無仮説は「1の目が出る確率は1/6」である。

実際にサイコロを6回振ってみるとする。正常なサイコロであれば、1の目が出る回数は1回だけ出そうである。でも実際にはサイコロの出目はランダムなので、0回だったり2回だったりもする。

このとき、1の目が何回出たらこのサイコロが正常でないと判断すれば良いだろうか。例えば「3回以上出たら正常でない」という基準を決めたら、「4回以上出る確率」が有意水準(危険率)に相当する。このとき、サイコロが正常(帰無仮説が真)であるにも関わらず1の目が4回以上出たら私達は「このサイコロは正常でない」と誤った判断(帰無仮説の棄却)をしてしまう。これが第一種の過誤である。

第25問

(オ)各ブロックに保持される値はハッシュ値である。ナンス値とは、新たなブロックを生成する際の検証(マイニング)に用いられる使い捨ての数値であり、ハッシュ関数に代入して新たなハッシュ値を生成するためのものである。

中小企業診断士 一次試験 令和三(2021)年度 「B 財務会計」の解説

B 財務・会計

問題(PDF), 解答(PDF)

第1問

  • 値引: 品質などの理由でより安くすること
  • 割引: 掛取引で支払期限より早く支払があった際に利息相当分を安くすること
  • 割戻: 大量の取引を理由に安くすること

第2問

支店間で取引があったとする。支店分散計算制度では、そのままそれらの支店が記帳し、本店は何も記帳しない。本店集中計算制度では、取引は必ず本店を経由するものとするので、本店も記帳する。

支店分散計算制度における支店の仕訳を統合すると、本店集中計算制度における本店の仕訳が得られる。

第3問

定率法では、毎年、残存簿価に年率を掛けた額を償却する。

第4問

自己創設のれんとは、自社ののれんのこと。我が国の会計制度では計上が認められていない。

第5問

引当金は評価性引当金と負債性引当金とがあり、負債性引当金はさらに非債務性引当金と債務性引当金とに分類される。法律上の支払い義務があるのが債務性で、ないのが非債務性。

第6問

取引の一般的な流れは「受注→出荷→納品(引渡)→検収→請求→入金」である。

  • (ア)契約の解消や返品リスクがあるからこそ検収基準で取引するのである。
  • (ウ)長期請負工事では、工事完成基準と工事進行基準のいずれも選択できる。

第8問

販売価格差異とは、実際販売量の下での実際販売価格 と予算販売価格との間の売上の差異である。

「予算実績差異=販売実績-販売予算」が成り立つので、販売価格差異を「販売数量差異=予算実績差異-販売価格差異」から求めることもできる。

第9問

  • (ア)売掛金として現金を回収しているのでCFは増加する。
  • (イ)仕入れ債務を現金で返済しているのでCFは減少する。
  • (ウ)棚卸資産を現金で購入しているのでCFは減少する。
  • (エ)長期借入金を現金で返済しているのでCFは減少する。

第10問

設問1

「固定比率 = 固定資産/自己資本」。長期的投資である固定資産は自己資本や他人資本で購入するが、自己資本で賄われている方が経営は安定していると言える。その安定性の指標となる固定比率は低い方が良い。

「固定長期適合率=固定資産/(固定負債+自己資本)」。固定比率に似た指標で、長期的な支払能力を表す。

設問2

インタレスト・カバレッジ・レシオ= (営業利益+受取利息+受取配当金) /支払利息

interestは利息という意味。インタレスト・カバレッジ・レシオは支払利息をカバーする何倍の利益を上げているかを表す。

第11問

役務収益と役務原価は、サービスの提供が完了した時点で初めて計上することができる。役務が成立するまでは、仕掛品勘定に計上する。

第12問

  • 変動費率=変動費/固定費
  • 損益分岐点売上高=固定費/(1−変動費率)=固定費/貢献利益率
  • 損益分岐点比率=損益分岐点売上高/売上高
  • 損益分岐点比率+安全余裕率=1

(エ)「売上高=利益+費用」なので、明らかに誤り。

第14問

  • (ア)株式分割はそもそも資金調達ではない。
  • (イ)減価償却費は非現金支出費用であるため、減価償却費相当分だけ毎期現金が溜まっていく(自己金融効果)。
  • (エ)株式や社債の発行は直接金融である。

第15問

加重平均資本コスト(WACC)とは、必要な資本を調達するためにその資本の何%を余分に支払う必要があるかを表す。WACCは税引後負債コストと株主資本コストをそれぞれ総資産に占める負債と純資産の割合で重みづけして算出する。負債コストに税引き後のものを使用するのは、支払利息が費用として計上することができる(負債の節税効果)からだ。

税引前負債コスト=支払利息 ÷ 負債総額

株主資本コストの算定方法は色々あるが、中小企業診断士試験では専らCAPMが用いられる。

第16問

(ウ)配当額を自己資本で除した比率はDOE(株主資本配当率)である。配当利回りは「配当金÷時価総額」である。

第17問

  • (ア)株式配当金は自己資本コストの一つである。法人税が存在するならば負債比率が高いほど企業価値は高まる。
  • (イ,ウ)負債比率が高いと、資金繰りが悪化して倒産するリスクが高まる。このためリスクプレミアムや負債コストも上昇する。倒産リスクを下げたい場合は自己資本比率を高めると良い。

第20問

(イ)が正解とされるが、「リスク・ポートフォリオ」などという言葉は存在しないので不適切問題。

安全資産とリスク資産を組み合わせてポートフォリオを構成する場合、投資家のリスク選好によって最適なポートフォリオは異なる。そのポートフォリオの集合は資本市場線と呼ばれる。資本市場線の中で、リスク資産のみで構成されるポートフォリオは一意に定まる。これが選択肢(イ)の意味するところだろう。

第21問

定率成長配当割引モデルは、各年における配当の割引現在価値の総和から企業価値(時価総額)を推定するモデルである。割引現在価値を算出する上で金利ではなく株主資本コストを採用しているのは、株式投資においては倒産やゼロ配当といったリスクがあり、金利にはそれが反映されないためである。

無限等比級数の和として理論株価を求められる。

第22問

略称が何を表すのかを憶えておくとよい。

  • DCF: Discounted Cash Flow
  • IRR: Internal Rate of Return
  • P: Price (株価)
  • E: Earnings (収益)
  • B: Book value (純資産)
  • S: Share (株式総数)

マルチプル法は倍率法や乗数法とも呼ばれ、同業他社の財務比率を自社と比較し、他社の企業価値に乗数を掛けることで自社の企業価値を推定する。

第23問

  • (ア)ドルを円で買うとする。円(権利行使価格)は安いほどドルを買う(コール)ことの利益(オプションの価値)は大きくなる。
  • (イ)行使までの期間は長いほど権利の価値は高く、時間的価値と呼ばれる。賞味期限のようなものだ。
  • (ウ)原資産の値上がりがプレミアムを上回った場合、売却(プット)せずに保持した方が良いので権利を放棄する。これによって損失額はプレミアムとなる。
  • (エ)オプションの売却は義務なので権利放棄はできない。

中小企業診断士 一次試験 令和二 (2020)年度 「C 企業経営理論」の解説

C 企業経営理論

問題(PDF)解答(PDF)

第1問

VRIOフレームワークとは、企業が有する経営資源について4つのチェックポイントを課するものだ。

VRIO Framework
一つも満たしていない競争劣位
Value: 価値がある競争均衡
Rarity: 希少性がある一時的競争優位
Inimitatability: 模倣困難である持続的競争優位
Organization: 組織的に管理されている経営資源の最大活用

第3問

(エ)垂直統合には、供給元や原材料生産者を統合する後方統合と、販売チャネルや小売業者を統合する前方統合とがある。

(オ)ハーフィンダール・ハーシュマン指数(HHI)がゼロに近づくと市場は完全競争に近づき、最大値の10000では独占市場である。

第5問

SWOT分析では企業の内外の環境を強み(Strength)、弱み(Weakness)、機会(Opportunity)、脅威(Threat)に分類している。強みと弱みは内的な成長誘因、機会と脅威は外的な成長誘因である。

第11問

保有している株式が少なくても、株主であればその会社に対してオーナーシップがある。

第13問

(ア)公式機関が規格を制定することをde jure standardという。

第14問

C. I. Barnardは経営者や従業員のモチベーションに焦点を当てて組織論を説いた人物だ。

Barnardの理論を知らなくても、問題文の「経営者の役割」という文言から選択肢を絞り込める。

第17問

  • 単純組織: 同等な立場の人物で構成される。創業初期のベンチャー企業などが該当する。
  • 単一職能別組織: 部門毎に職能が分かれており、ボトムアップで意思決定が行われる。
  • 集権的職能部門: 単一職能別組織が進化したもの。研究開発・調達・生産・販売といったプロセスごとに部門を作り、それらが集権的に管理される(垂直統合)。
  • 複数事業部制組織: 集権的職能部門が関連多角化し、製品や地域に応じて事業部を持ったもの。
  • 世界的職能部門制組織: 世界的複数事業部制組織では事業部毎の独立性が高いため、それらの事業を統合することで規模の経済を発揮できるようにしたもの。

「イギリス大企業の経営戦略と組織」(中本)も参考になる。

第19問

動機づけの過程理論と呼ばれるものには、目標設定理論(goal-setting theory)や公平理論(equity theory)、期待理論(expectancy theory)などがある。

公平理論が他者との比較によって動機づけられるのに対して、期待理論は仕事の報酬によって外発的に動機づけられる。

V.Vroomの期待機論では、モチベーションは「報酬の実現確率」✕「誘意性(報酬の魅力)」で決まる。

第22問

competencyは仕事の成果については評価しない。

第24問

(ア)ここでいう「役務」とは、サービス業やコンサルティングを指す。

第25問

  • (イ)「休憩時間の一斉付与」とは、事業場の従業員に対して休憩時間を一斉に与えること。フレックスタイム制においても例外ではない。
  • (ウ)高度プロフェッショナル制度を導入できる年収要件として「年間平均給与額の三倍の額を相当程度上回る水準」というものがある。また労働基準法第37条では、休日労働に対する割増賃金は、通常の賃金の3割5分以上、深夜業に対する割増賃金は2割5分以上と定められている。

第29問

設問1

セグメンテーションとは、標的とする市場の適切な範囲と規模を見定めることである。

設問2
  • (ア)この文は、市場浸透戦略(ペネトレイション戦略)ではなくスキミングプライシング(上澄み吸収価格)を説明したものだ。
  • (イ)この文は、威光価格を利用した価格戦略を説明したものだ。
  • (ウ)この文は、コストベース価格設定を説明したものだ。
  • (エ)非常に多くの競合企業間で激しい競争が展開されているということは完全競争市場であるので、生産者と消費者はいずれもプライステイカーである。
  • (オ)この文は、需要志向型価格設定を説明したものだ。

第30問

(エ)この文は、ティザー広告を説明したものだ。

第31問

  • (ア)O2O戦略 (Online to Offline戦略)とは、オンライン上で潜在顧客の関心を引き、実店舗(オフライン)に誘導するマーケティング手法のこと。
  • (ウ)プラットフォーマーは自社のプラットフォーム上で必ずしも自社の製品・サービスの販売をしない。

第32問

設問2

製品ミックスについてはIndeedの記事が分かりやすい。

(ウ)製品ラインが深すぎた可能性もある。

第34問

設問2
  • (イ)想起集合とは、消費者が製品を購入したいときに想起するブランドの集合のこと。
  • (ウ)製品に使用されている材料などについてのブランディングを成分ブランディングという。

第36問

  • (ア)Affordanceとは、人が物に対してどのように扱うことができるかを意味する。
  • (ウ)視神経は交差しているので、どちらかと言えば画像は左、文字は右が適当だ。いずれにしてもこのようなルールは一般的ではない。
  • (エ)製品価値には、基本価値・便宜価値・感覚価値・観念価値がある。
  • (オ)この文は、移転可能性を説明したものだ。防御可能性とは、ブランド要素を法律上・競争上の観点から守れるかということ。

第37問

  • (ア)現場スタッフが顧客と接する瞬間のことを「真実の瞬間」という。真実の瞬間を重視して現場スタッフの権限を強化した組織構造を「逆ピラミッド」という。
  • (ェ)高度成長期は国内の市場が拡大していた時期なので、新規顧客獲得が重視されていたと推測できる。

中小企業診断士 一次試験 令和三(2021)年度 「A 経済学・経済政策」の解説

A 経済学・経済政策

予想外に長引くCovid-19の影響を反映した試験問題が多かった。

問題(PDF)解答(PDF)

第2問

aが中央銀行であることは明白だが、bとcを特定するのは難しい。市中銀行が個人に比べて遥かに多くの国債を保有している背景として次のようなことがある。

  • 財政法第5条に基づく「国債の市中消化の原則」によって、発行された国債は民間金融機関に売却することが原則となっている。
  • バーゼル規制では、市中銀行の自己資本比率において「自国通貨建ての国債は、格付にかかわらず、信用リスクをゼロにすることができる」という規定がある。

第4問

コロナ禍を絡めた意欲的な設問となっているが、残念ながら(a)と(b)は文が意味不明だ。それでも、いずれの選択肢も偽なので不適切問題の扱いにはならない。

  • (a)この文は恒常所得仮説ではなく絶対所得仮説の説明と思われるが、仮に絶対所得仮説の説明だとしても、一時金の給付によって経済全体の消費が増加するとは限らない。
  • (b)「生涯の所得が生涯の消費を決定する」という文はライフサイクル仮説の説明だ。また、「新しい生活様式」という語の定義が不明。
  • (d)「XのY弾力性が高い」という語は、「X/Yの絶対値が1より大きい」と読み替えれる。

第5問

設問1

(a)記事「均衡予算乗数=1になる理由」が分かりやすい。均衡予算とは、赤字国債は発行せずに政府の支出はすべて税収によって賄うということ。

乗数はG, T, I が所得の増加にどれくらい寄与するかの指標なので、(b), (c), (d)についてはそれぞれdY/dG, dY/dT, dY/dI を求めればよい。

設問2

問題文の「景気の落ち込みを回避するための財政政策の効果」という文言から、選択肢を絞り込める。

限界消費性向はc < 1 であるため、国民は所得の一部を消費ではなく貯蓄や投資に回す。一方で政府は国民から徴収した税を全て当期の消費に充てるため、政府支出による景気拡大の効果の方が大きい。

注意すべきなのは、景気拡大の効果が増税分より大きくなるのは当期だけである。将来の効果を先食いしているのである。

第6問

設問2

財政拡張政策や金融緩和政策によってIS曲線やLM曲線は右に移動し、GDPの増加に寄与する。経済政策にフリーランチはないので、受益を先食いしている。

第7問

  • マネタリーベースとは、日本銀行が金融部門を含めた経済全体に供給する通貨量。
  • マネーストックとは、金融部門(通貨発行主体)から経済全体に対して供給される通貨量。マネタリーベースに含まれている日銀当座預金や金融機関の保有現金は含まない。

預金には、家計等が市中銀行に預ける預金と、市中銀行が中央銀行に預ける日銀当座預金とがある。「家計の預金✕法定準備率 ≦ 日銀当座預金 ≦ 家計の預金」が成り立つ。

第8問

(c)stagflation を理論的に説明するために構築されたのがMonetarism である。マネーストックの操作による政策が特徴で、k%ルールが含まれる。Keynesianが絶対所得仮説を支持するのに対して、Monetarismは恒常所得仮説を支持する。

第9問

外国貿易乗数は、純輸出が所得の増加にどれくらい寄与するかの指標。第5問で登場した乗数の仲間だ。

第11問

(エ)有効求人倍率=月間有効求人数/月間有効求職者数

第12問

経済成長率=(労働分配率 × 労働投入の成長率)+(資本分配率 × 資本投入の成長率 )+ 全要素生産性の成長率

という関係式は、コブ=ダグラス型生産関数Y=NαKβ を対数微分して得られる。

第19問

独占市場における価格決定プロセスは「独占市場の利潤最大化「MC=MR」と価格の決まり方・余剰分析と独占利潤など」を読むと直感的に理解できる。

第20問

(c)は、「太郎さんは点Aではなく点Bで消費するのではないか」と物議を醸した文だ。

需要曲線は限界費用曲線のように、生産量で微分した関数だ。よってQ=0のときは埋没費用のp=700になる。

中小企業診断士 一次試験 令和元(2019)~二(2020)年度 解説記事のまとめ

令和元(2019)年度

令和二(2020)年度

令和三(2021)年度

令和四(2022)年度

中小企業診断士 一次試験 令和二(2020)年度 「B 財務会計」の解説

B 財務・会計

問題(PDF), 解答(PDF)

第1問

棚卸資産の評価方法には、原価をそのまま採用する原価法と低価法がある。

低価法とは、資産の取得原価と期末における時価(正味売却価額)とを比較し、金額の低いほうを採用する方法だ。流行性の高い商品に適した評価方法。商品評価損は損金算入でき節税になる。

低価法を棚卸資産評価法として選定する場合には、税務署へ「棚卸資産の評価方法の届出」を提出する必要がある。提出しない場合は、最終仕入原価法を用いることになる。

売上原価: 販売する品物の売上高に対する仕入の原価、あるいは販売する品物の製造に必要な原価。「売上高=売上原価+売上総利益」が成り立つ。

  • 棚卸減耗費=原価✕(帳簿棚卸数量-実地棚卸数量)
  • 商品評価損=(原価-正味売却価額)✕実地棚卸数量

売上原価は「 期首商品棚卸高+当期商品純仕入高-期末商品棚卸高」で定義される。問題文に「棚卸減耗損および商品評価損はすべて売上原価に含める」と書かれているので、低価法を採用する。

第2問

貸倒引当金は前期末の余りを翌期に引き継いで不足分を追加することになるが、この方法には洗替法と差額補充法がある。洗替法は前期末の余りを会計上差し引いてから、当期の総額を計上する。差額補充法は文字通り、差額(つまり不足分)のみを計上する。

問題文では、売上債権には受取手形と売掛金が該当する。

正解は(エ)であり、(イ)は洗替法による方法。

第3問

有価証券は貸借対照表に表示する。将来的に売買すると想定されている場合は時価、それ以外は取得原価を計上する。

取得原価と時価の評価差額は基本的に、売買目的なら損益計算書、それ以外は貸借対照表に計上する。

企業は債券を投資家にとって魅力的なものにするために、価額を額面金額より高くする代わりにクーポン利子率を高く設定したり、クーポン利子率を低くする代わりに価額を額面金額より低く設定したりできる。これを「金利の調整」という。価額と額面金額との差異が企業の信用リスクに起因している場合は金利の調整とは認められない。

  • (イ)「その他有価証券」は、いずれ売却すると想定されているので、時価で記帳する。取得原価と時価の評価差額は全部純資産直入法または部分純資産直入法によって記帳する。
  • (ウ)売買目的なので、評価差額は損益計算書の営業外損益として計上する。
  • (エ)満期保有目的の債券の取得価額と額面金額との差額が金利の調整と認められるときは、償却原価法に基づく償却原価を貸借対照表に計上する。

第4問

企業は原則として、資本金の1/4の額の法定準備金として積み立てる必要がある。それができない場合は次のいずれか低い金額を積み立てることができる。

  • 資本金/4-(資本準備金+利益準備金)
  • 配当金/10

法定準備金は、繰越利益剰余金を原資とする場合は「利益準備金」という扱いであり、その他資本剰余金を原資とする場合は「資本準備金」という扱いになる。

第5問

減損損失を認識するのは「割引前将来キャッシュフロー < 帳簿価格」のときだ。

減損損失を認識したら、帳簿価額と回収可能価額との差額を損益計算書において「特別損失」として計上する。回収可能価額は正味売却価額と使用価値(将来キャッシュ・フローの割引現在価値)のいずれか高い方である。

平時においては、企業が保有する固定資産の帳簿価格と正味売却価額と使用価値(将来キャッシュ・フローの割引現在価値)は近い金額になる。一方で、割引前将来キャッシュフローは文字通り割引前なので割高の数値であるはずだ。それが帳簿価格を下回るということは明らかに異常事態なわけである。

第6問

のれん=取得額-被取得企業の純資産

D社の純資産は、貸借対照表を元にすると「資本金+資本剰余金+利益剰余金=70,000」と算出されるが、ここにヒッカケがある。問題文の「商品の時価は24,000千円」を考慮しなければならないのだ。「その他の資産および負債の時価は帳簿価額と同額である」とも書かれているので、商品の簿価と時価の差額は純資産の増加分である。

第7問

  • (ア)リース取引はファイナンス・リース取引とオペレーティング・リース取引に大別されるが、前者は通常の売買に近い取引で、一般人が想像するリース取引は後者である。
  • (イ)リース料のうち未経過リース料という。解約不能なリース取引の場合は、保守主義の原則に従って未経過リース料を注記する。
  • (ウ)1年の債務期限を境に、流動負債と固定負債に区別する。

第8問

買収した被取得企業の超過収益力を「のれん」といい、無形固定資産に計上できるが、自社の超過収益力は計上できない。

第9問

損益計算書に仕入や売上を仕訳する際、消費税分を分けて記入するのが税抜方式で、分けないのが税込方式。税込方式では、決算時に納めるべき消費税を計算必要があり、その金額を租税公課として仕訳する。

第10問

製品の製造を担当する工員を直接工といい、直接労務費の対象となる。

予定賃率✕作業時間=賃金

資料の1で予定賃率の計算をさせている。

資料の2で直接労務費と間接労務費とを区別できるかを試されている。間接作業時間と手待時間は間接労務費の対象である。手待時間とは、作業中ではないが指示されればすぐに作業に取り掛かれる状態の時間のこと。

第11問

  • (ア)「固定長期適合率=固定資産/(固定負債+純資産)」。固定比率に似た指標で、長期的な支払能力を表す。低いほど安全性が高く、一般的に100%以下が望ましい。
  • (ウ)利益というと営業利益、経常利益などがあるが、利益率の計算では断りがなければ税引き後当期純利益を指す。このことを知らなくても、どの利益を用いて算出しても30%にはならないのでこの選択肢は誤りだとわかる。
  • (エ)「当座比率=当座資産/流動負債」。短期支払能力の指標。流動比率は流動資産/流動負債で表されるが、流動資産に含まれる棚卸資産(商品)はすぐには現金化できないので、流動資産の中ですぐに現金化できる当座資産を分子としている。

与えられた資料における科目は次のように分類される。

  • 固定資産: 建物、備品
  • 当座資産: 現金預金、売掛金
  • 流動負債: 売掛金

第12問

自己株式を株式市場から現金で買い戻し、自己株式を消却している。

まず、現金を支払うことで流動資産が減少する。

そして、自社で保有している自己株式は資産として扱われないため、買い戻した時点で株主資本は減少する。よって純資産が減少する。

固定比率=固定資産/純資産

第13問

(ア)「営業活動によるキャッシュ・フロー」は直接法と間接法のいずれかの表記法を選べる。損益計算書の税引前当期純利益は「営業活動によるキャッシュ・フロー」と大体同額なので、これをそのまま記載して、誤差を調整するのが間接法だ。

(ウ)キャッシュ・フロー計算書における「現金及び現金同等物期末残高」は3ヶ月以内に現金化できるもの、貸借対照表における「現金及び預金の期末残高」は1年以内に現金化できるものを指す。

第14問

  • (ア)製造間接費の配賦計算が困難である伝統的原価計算にたいして考案されたのがABC である。
  • (イ)製品の製造プロセスを分類したのが活動(cost pool)であり、それを元に製造間接費を算出するための基準がcost driverである。
  • (ウ)製造業において多品種少量生産の傾向が強まったことにより、間接費の算出が難しくなってきたのがABCが考案された背景にある。

第15問

  • (ア)問題文中の「売り手」と「買い手」が原資産のことなのかオプションのことなのか不明瞭。
  • (イ)オプションの「買い」は権利放棄ができるが、「売り」の場合はできない。そのため、リスクヘッジの目的では「買う権利」のみが購入対象である。
  • (オ)先物取引の代表としてオプション取引、スワップ取引、為替予約がある。

第17問

複利現価係数は等比数列、年金現価係数は等比級数とそれぞれ関連している。

第18問

超過収益力=「ポートフォリオのリターン」-「ベンチマークのリターン」

株価はベンチマークの代表例だ。株価は企業や市場環境に関する情報に応じて随時変動しているが、情報に対して即座に変化できるわけではなく、ラグがある。このときポートフォリオのリターンとベンチマークのリターンとの間にも差が生まれ、超過収益率が0からズレる。その後、株式市場はその情報を織り込んで取引されるため超過収益率は0に戻る。

第20問

債権には利付債と割引債がある。利付債は発行金額と額面金額が等しく、単利の利息が毎期得られる。割引債は利息が得られないが、発行金額が額面金額より安く、その差額は複利で算出される。

rを利回りとすると、121=100*(1+r)^2が成り立つ。121=11^2 だからといって(イ)の11.0%を選ぶのは軽率だ。

第21問

  • 損益分岐点比率=損益分岐点売上高/売上高
  • 変動費率=変動費/売上高=売上高✕変動費率

第22問

リターンやリスクの大小を元に選んだ合理的なポートフォリオを「効率的ポートフォリオ」と呼び、その集合を効率的フロンティアという。資本市場における資産の価値の比率を元に組んだポートフォリオを市場ポートフォリオといい、これは効率的ポートフォリオの一つである。

ポートフォリオを組むための予算に限りがある時は効率的ポートフォリオは曲線になるが、無制限の借入金が可能だとすると、直線になる。これを資本市場線という。

効率的ポートフォリオを「安全証券と市場ポートフォリオとの組み合わせ」とした問題文の正確性は怪しい。

第23問

減価償却費は費用の一種だが現金の支出は伴わない。この減価償却費には当期の利益を目減りさせることで節税する効果がある。

第24問

  • (ア)「PER=時価総額/当期純利益」である。資金を自己資本で調達すれば時価総額が高まることになる。
  • (ウ)「企業の市場価値」の定義が不明。

中田ヤスタカ・CAPSULE・Perfume・などのマニアックな情報をまとめたサイト紹介

ystk archive

中田ヤスタカのこれまでの仕事にまつわる、公式のウェブサイトやSNSでは手に入らないようなマニアックな情報・記録が掲載されている。

インタビュー – TOWER RECORDS ONLINE

Perfumeのブレイクをきっかけに世間からの注目が集まりだしていた頃の中田ヤスタカへのインタビュー記事。Perfume以外のアーティストへ提供した楽曲も多く紹介されている。

アイドルと記憶

ノッチ森永氏の個人ブログ。内容はPerfumeを中心として、中田ヤスタカの少年時代に触れた記事もある。

3年前に買ったDell Inspiron 14が不具合だらけ…HP 15 (Ryzen 5 7530U)に買い替え

2023-10-03,HP 15 Ryzen 5 7530U/16GBメモリ/512GB SSD/フルHD/IPSパネル搭載 価格.com限定モデル [ナチュラルシルバー]を64500円で購入した。

DELL Inspiron 14 5000の深刻な不具合

私は2020-04にlaptopのDELL New Inspiron 14 5000を購入したが、次のような深刻な不具合が発生して修理を試みても直らなかった。

  • shut downしてもファンが回り続け、発熱する。電源ボタンを長押しして強制シャットダウンするしかない。
  • 一部のkeyboardが反応しない。別のkeyを押しながら故障したkeyを押すと、入力できることがなぜかある。
  • SONY WF-1000XM4 を接続しても、音が聞こえないしマイクも使えない。それどころか、マイクやスピーカーを使用するweb browser, VRChat, WMPといったapplicationが停止する。

この中でも「一部のkeyboardが反応しない」というのが最悪の不具合で、programmingはマトモにできない。今までダマシダマシ使い続けてきたが、10月になってZoomやprogrammingをする機会が増えるので、急遽、laptopを買い替えることにした。DELL製品は二度と買わない。

新しいPC探し

数千種類のlaptopが登録されている価格ドットコムで探した。私は価格ドットコム信頼しており、電子機器は必ずこのサイトで探している。

laptopを選ぶ上で最重要の要素はCPU性能である。そこでPassMark Scoreが10000以上の製品を安い順に並べたのだが、最安の製品のscoreが16254 (AMD Ryzen 5 7530U)と条件値よりかなり高いので驚いた。コスパが非常に高いということだ。その製品が次の二つで、価格はいずれも56500円。

欠点を挙げるなら、RAMが少なめという点だろう。VRChatを使う場合は16GBが欲しい。そこで、これらより補助記憶装置と主記憶装置の容量が2倍で8000円高いHP 15を購入した。今まで購入したlaptopの中では最も高価。売れ筋ランキング一位だった。

今まで使っていたDell Inspiron 14のCPUのPassMark Scoreが7000だから、HP 15は2倍の性能だ。今まで動作が重かったVRChatをどこまで軽快に動かせるか楽しみ。

Vivobook 16X M1603QA (65800円)」のCPUはRyzen 7 5800Hであり、PassMark Scoreが21191と同価格帯の中では非常に高く魅力的に感じたが、Single Thread性能はRyzen 5 7530Uに劣るし、16型は大きすぎるので却下した。

Lenovoは凄かった

HP 15が届くまで、2016年に購入したLenovo ThinkPad L540を代わりに使うことにした。L540は法人向けPCだからか、7年間も使い続けていても致命的な故障のない脅威の耐久性を持っている。Lenovoの品質は素晴らしいが、今は安全保障上の懸念から中国メーカーの電子機器の製品の購入は避けている。

私のL540はWi-Fiが繋がらないのが唯一の不具合だが、スマホでtetheringしているので問題ない。とはいえ、動作が非常に遅いので早くHP 15を使いたい。

HP 15納品予定日の前日である6日に、L540の液晶の表示が激しく乱れる重大な不具合が発生。世代交代を印象付ける出来事になった。

HP 15が到着

予定通り、7日に到着。

テンキーも付いていて、意外と大きい。でもリュックには十分収まる。

VRChatを使うときは、今まではFPSを下限値の10にまで落としたり、表示するavatar数を減らしたりしていた。HP 15では快適になった。

解像度がFull HDであるため、文字などが小さくて読みにくい。そこでDisplayのScaleを190%にした。190%より大きくするとYouTubeなどでスマホ専用のUIになってしまう。今まで使っていたInspironでも190%にして使えばよかった。

指紋認識の精度が低いこと、バックライトが暗いこと、function keysの字が小さいのが難点。