高校数学 筑波大学2017 (平成29)年度一般入試問題の解説

〔2〕

(2)

求めるのはh(x)だが、与えられた条件は「f(-1) ≦ g(x) ≦ f(1)」という h(x) を含まない形なので、まずは h(x) を含む形に変換する。

h(-1), h(-β),h(β),h(1)から未知数p, q, rを含む連立不等式が建てられる。等号付き不等号の連立不等式から値を特定するには、「0≦a≦0」のように同じ値で挟む形に持ちこむ。

初めの操作はやはり、出来るだけ多くの未知数をキャンセル出来るような四則演算をする事がベストだろう。そして得られた数値をそれぞれの不等式に代入する。

〔3〕

(1)

与えられたan+2の式が一見複雑に見えるが、右辺のan+1を移行すると、bn+1 = 3bn2 というシンプルな式になる。複雑な式には何か意図が隠されていると見るべきだろう。anやan+1をxやyに置き換えると発見しやすくなる。

(3)

状況把握の為に、anやbnの関係性を纏めておくと良い。

一の位を求めるということは、和や積を計算する際に、それ以上の位の数値がどうなっているかを気にする必要がないという事だ。この性質を利用して、 bn の各項の一の位のみを足し合わせていく。

〔4〕

(1)相反方程式は、「係数が同じでxの次数の差がn」という関係の項の組がある場合に置き換えが使える。

相反方程式なのでt = x +1/x とおくのが王道だが、両辺にx2を掛けて因数分解しても方程式の解は得られる。ただし(2)では「4x2 -9x +4 = 0」の解が根号を含むので極値を求めるとなると計算が大変。結局はα +1/α の形を利用するとエレガントに解ける。

(3)極値が求められなくても、x = 1/2, 2の傾き、更にはx = 1の二階微分でも形は判断できる。

〔5〕

ガウス記号、区分求積法、はさみうちの原理を使う難問。

(1)

sin関数は負の値も取り得るので、「sin(πn/2N) ≧ 0」を示す記述が必要。

ガウス記号の性質として、「[x +N] = [x] +N」があり、この問題の解として[N sin(πn/2N)] +1 も [N sin(πn/2N) +1]のいずれも正しい。

(3)

0 ≦ x ≦ N なので、πx /2N を「0~π /2を動く角度」と捉える事が出来、sin (πx /2N) の取り得る範囲は「0 ≦ sin (πx /2N) ≦ 1」である。「 n/N (0 ≦ n/N ≦ 1)という形を含む関数の無限級数」 なので区分求積法を想定しよう。

区分求積法ではΣにおけるnの範囲は「0 ≦ n ≦ N -1」もしくは 「1 ≦ n ≦ N」 でなければならない。ここでは後者を選び、Σ式から”+1″を追い出している(“n = 0″ならば”Σ式 = 1″であるため)。

このままではガウス記号があるので区分求積法を使えない。そこでガウス記号の定義「n ≦ x<n+1」を利用して挟み撃ちの原理に持ち込む。これによって不等式の両端のようにガウス記号の無い形にできる。

挟み撃ちの原理で極限を施した後は不等式の両端が同じ式になっている必要があるので、事前にΣの中から”+1″を追い出して”+N”にしておく。この”N”の項は、A(N)で割って極限を施すと0になる。

これによって漸くガウス記号の無い形に持ち込めた。次は区分求積法を適用するために”1/N・Σ”の形にして積分する。

解くためのポイント

答えに辿り着くまでに構想力を必要とされ、類題を解いたことが無ければここまでの誘導があっても難しい。類題を知らなくても解けるように、以下に一般的な知識をまとめた。

  • 「 n/N (0 ≦ n/N ≦ 1)という形を含む関数の無限級数」から区分求積法を連想する。
  • ガウス記号を扱う問題は「n ≦ x < n+1」 の性質を利用する事がしばしばある。挟み撃ちの原理とも、ガウス記号の無い形に変形できるので相性がいい。
  • 極限(特にsin やcosの極限)を扱う問題なら挟み撃ちの原理が解法として有力。

区分求積法の変換について

パスナビの解答例では、区分求積法の計算をするところで、π/2を掛けて、”sin x”をx ( 0 ≦ x ≦ 2π)で積分している。この意味を説明する。

「y = sin (π/2・x)」の場合、元々は0 ≦ x ≦ 1 の範囲を持つxを仮想的にπ/2倍する事でyを算出して、 N分割されたxとyを長方形の底辺×高さとして積を求めてN個を合計している。

これに対して「y = sin x」の場合、0 ≦ x ≦ π/2 の範囲で直接にyを算出するので、xの底辺が先ほどのものよりπ/2倍大きいのだ。 これに応じて面積も π/2倍になる。区分求積法の式で π/2を掛けているのは y = sin x を積分する為なのだ。その代わり、別のところで2/π倍して補正している。

これは置換積分と本質的に同じ操作である。その証拠にt = π/2・x とおいて置換積分すると同じ式が出てくる。ただし区分求積法の置換は一次関数しか対象にできないので原始的な手法といえる。

〔6〕

与えられたたった二つの式を最大限に解釈して解いていくまるでパズルのような問題。難しい点は無いが、解く過程の長い問題だ。

やはり図を描いてそれを確認しながら解くのが良い。初めから概略図を描いておき、解くに連れて修正していこう。

(1)

∠P5P1P2 は極座標表示で (w2 -w1) /(w5 -w1) と表せるので、(Ⅰ)の式を変形すればいい。すると±(tan a)i という実部のない複素数であると分かるので、答えはπ/2である。

同時に、P2P5 は長さ2の円の直径であると分かる。円と π/2 の組み合わせには敏感になるべきだろう。

(2)

(tan a)i をr(cos θ +i sin θ)と比較すると、θ = π/2 なので、r = tan a である。∠P5P1P2 = π/2 且つ P2P1 /P5P1 = tan a だから、 ∠P1P5P2 = a と分かる。

P1P2 = 2 sin a, P1P5 = 2 cos a なので、⊿P1P2P5 = 2(cos a)(sin a)と分かった。

残りの部分の面積も求めよう。

(Ⅱ)で与えられた式の解は、z = (√3 ±i) /2 = cos (π /6) ±i sin (π /6) だ。複素数が方程式の解として現れる。

cos (π /6) -i sin (π /6) = cos (11π /6) +i sin (11π /6) だが、11π /6 という角度はあり得ないので、これが -w4 /w2 である。w4 /w2 = -w4 /w2 * i2 なので ∠P2OP4 = 11π /6 -π = 5π /6 だ。

P1 ~P5 は反時計回りに並んでおり、OP2, OP3, OP4 の長さは1なので、∠P2OP3 = π /6 、∠P3OP4 = 2π /3 、∠P4OP5 = π /6 と分かった。

  • ⊿P1P2P5 = 2(cos a)(sin a) = sin 2a
  • ⊿P2OP3 = 1/4
  • ⊿P3OP4 = 1/2 * 1 * 1 * sin (2π /3) = √3 /4
  • ⊿P4OP5 = 1/2 * 1 * 1 * sin (π /6) = 1/4

(3)

これも、ここまで得られた情報を整理して図を描いておくと良い。

誘導が無くても、 (Ⅰ)の式から∠P5P1P2 を求めるという発想は出てき易い。 (Ⅱ)の式の解を極座標として解釈するのも大事な点。

高校理科(化学) 筑波大学2019 (平成31/令和1)年度一般入試問題の解説

初めの文章を読まなくても小問の文を読めば解けるものもあるのでセンター公民の様だ。

問2

反応式: H2 +1/2・O2 → H2O +Q

  1. H2 (気)を分離して2H(気)にする(-436)
  2. O2 (気)を分離して2O(気)する(-498/2 = -249)
  3. H(気)とO(気)を結合して H2O (気)にする(+463 *2 = +926)
  4. H2O (気)を H2O (液)にする (+44)

燃料電池の文脈での問題なので、答えが吸熱反応になっていたら誤りと気づける。

問3

問2の考え方より、水素分子と酸素分子を反応させて水を生成した際にエネルギーを取り出せる。したがって、陽極と陰極の半反応式を足し合わせると、2H2 +O2 → 2H2O という式になる事を確認できる。

問4

  1. 二量体は、二つの同じ分子が水素結合で纏まったものである。
  2. 水晶(石英)はSiO2の共有結合結晶である。水素結合は共有結合より力が遥かに弱いので不適と分かる。
  3. 一次構造は、アミノ酸がペプチド結合で繋がった配列順序の事。二次構造であるαヘリックス構造やβシート構造は水素結合を持つ。三次構造も一部に水素結合を持つ。
  4. 水素結合する元素は主にF, O, N, Clなので不適。
  5. 対になる核酸塩基同士が水素結合をして二重螺旋構造を形成する。

大問文が長いので、各数値に下線を引くといい。

問1

「2H2S +SO2 → 3S +2H2O」となる。ちなみに「H2S +SO2 → 2S +H2 +O2」とならないのは、Ⅰ問2のように、水の方がエネルギー的に安定だからだ。

問2

(i)H2Sの物質量は1.3 *10-9 mol で、空気の物質量4.3 *10-2に比べて極めて小さいので、空気の物質量がそのまま答えとなる。

この様に、一方の物質の数値が極めて小さいので合計する必要がない場合は、どうせ合計しないのだからその数値を算出する手間を省きたい。したがって、数値が大きいと推測できる方を優先して計算し、小さい方を後から計算しつつ途中で「合計する必要はない」と判断したら計算を止めて良い。

今回は(ii)で分圧を求める為にH2Sの物質量を算出する必要がある。

問3

イオン化傾向が大きいと還元剤に、小さいと酸化剤として働く。

問4

(i)弱酸の電離平衡として考えると、二段階目の電離によって生じるH+は無視できる為、[H+] = √(CK1)が成り立つ。

問5

(i)

[H+] = √(K1K2[H2S][M2+] /Ksp)

(ii)

  • ZnS: Ksp = [Zn2+][S2+] = 10-22 ( Ksp >10-22 で沈殿する)
  • CuS: Ksp = [Cu2+][S2+] = 10-29 ( Ksp >10-29 で沈殿する)

(i)で求めた式に値をそれぞれ代入すると

  • ZnS: [H+] = 10-4.5 (pH 4.5より大きいと沈殿)
  • CuS: [H+] = 10-1 (pH 1.0より大きいと沈殿)

※この問題は「二つの液体が固体になる条件(溶解度積)の違い」に着目したものだが、「二つの気体が液体になる条件(飽和蒸気圧)の違い」で似たような問題を作れると気づいた。

問1

(ii)

「穏やかに酸化」という表現が何ともあいまいだが、これは「第一級アルコールを酸化してアルデヒドにした」という操作だけに用いられる表現だ。したがってDとEは共に第一級アルコールだ。

(iii)

DとEの化学式は共にC4H10Oだ。CnH2n+2なので鎖式飽和炭化水素と分かる。構造異性体は3種類あるが、そのうち第一級アルコールは2つだ。

DとEを区別するのは、その沸点だ。Dの方が沸点が高い理由は、直鎖であり分子間力が働きやすい為だ。Eは側鎖を持っている。

問2

エステルを水と反応させる事でカルボン酸とアルコールに分離する事を加水分解と呼ぶが、水の代わりにNaOHを用いてセッケンとグリセリン(3価のアルコール)に分離する事をけん化と呼ぶ。

ここでは化合物Aはエステルが二つあるので、必要なNaOHの物質量はAの2倍だ。

問3

  • (i)アルカンならば7。二重結合や三重結合を許すなら6。
  • (ii)不斉炭素原子は、環式構造を持っていても調べれる。不斉炭素なのか確認したい炭素原子と結合する四つの置換基を、それぞれの炭素鎖を辿って比較するのだ。

問4

(i)

まずアセチルサリチル酸の構造を想像できるか。構造を憶えていなくても、名前に「サリチル酸」と付く化合物は安息香酸を基本構造として含んでいる事、そして文字通りアセチル基を持つ事を知っていれば作れる。

仮にアセチルサリチル酸の構造が分からなくても、無水酢酸と化合させるとアセチルサリチル酸が出来るという事は、名前からして 化合物Fはアセチル酸なのだろうと推測できる。

(ii)

NaHCO3が反応したという事は、炭酸より酸性の強い分子と弱酸遊離反応を起こしたと考えられる。「スルホン酸>カルボン酸>炭酸>フェノール」であり構成元素がC or H or O なのでカルボキシ基だ。

(iii)

化合物Bのエステルを加水分解してF, G, H が出来た。Fはカルボキシル基とヒドロキシ基を持つので、G, Hはどちらかがヒドロキシ基、もう一方がカルボキシ基を持つ。(ii)よりGがカルボキシ基を持つので、Hがカルボキシ基を持つ。

原子C, H, Oの数は、化合物G, F両者を合わせて9, 20, 3個である。3個のO原子は、化合物Gがカルボキシ基として2個、Hがヒドロキシ基として1個持っていると分かった。また、化合物GがO原子との二重結合を一つ持つ事を考えると、FとGはどちらも鎖式飽和である。

Hはヨードホルム反応(+)なのでCH3-CH(OH)-R の置換基を持つ。

高校理科(物理) 筑波大学2019 (平成31/令和1)年度一般入試問題の解説

易しい問題と難しい問題が混在している。大問の中で「小問を解き進めるほど難しくなる」という訳でもなく、誘導も余り関係ないので、難しい問題はドンドン飛ばして行った方がいい。

斜面を滑る物体というオーソドックスな問題。センター試験レベル。

問1

摩擦力が、その力と垂直である垂直抗力の大きさに比例するという不思議な性質を持っているのは、物体と床面の間の微小な凹凸の引っ掛かりに由来するからだ。

ふつうは「静止摩擦係数の値を求めよ」となるところが「tanθを求めよ」となっているのがチョットした捻りだ。静止摩擦力νはtanθで表される事は憶えておいても良いだろう。

問2

求める時間は、等加速度直線運動の公式「距離 = 1/2 * at2」を使う。

求める速度は、運動方程式から加速度を求めて時間tを掛ける方法と、力学的エネルギーで立式する方法がある。

問3

  • 重力がした仕事は、力と距離を 坂に平行なものに分解する必要はなく、そのままmghでよい。
  • 垂直抗力は文字通り運動方向に垂直なので仕事をしない。
  • 摩擦力がした仕事は、「摩擦力×進んだ距離」だ。

これらの力の総和が「進行方向の力 × 進んだ距離」に等しくなる。

問4

点B周りの重力のモーメントの釣り合いを考えて立式するのが正攻法だ。一見すると作用線が分かり難いが、物体を軸を中心に回転させるような力がどこから来るのか考えれば良い。これについては スマナビングの解説が詳しい。

でも、そんな事をしなくても直感的にBDが水平面に垂直になる時に転倒が始まると分かるのですぐ答えは出せる。

ちなみに、摩擦力や垂直抗力の力のモーメントを無視していいのは、作用線が軸から出ているので回転力を持たないからだ。

問5

  • 重力の反時計回りのモーメント: mg * sinθ2 * a/2 + mg * cosθ2 * b/2
  • 力Fの時計回りのモーメント: F * cosθ2 * a – F * sinθ2 * b

これらが釣り合うので等式化する。

問6

問5の応用だが、直感的に答えられる問題。

題意を満たす条件とは、「力Fの作用線が ACより下に潜り込む事」。数学的に言い換えれば、力Fの時計回りのモーメントが0以下になる事だ。

まず、回路のどの地点を電位の基準とするかだが、問5に「点eの電位を0とせよ」と書かれているのでこれに従うのが合理的だ。

問1

コンデンサーC1の負極板とコンデンサーC2の正極板をつなぐ回路は電気的に孤立しているので、 それぞれのコンデンサーが蓄える電気量が等しいわけだ。その様な考え方以外にも、コンデンサーの充電や放電をさせた時に、コンデンサーC1の正極板とコンデンサーC2の負極板の電荷が異なっていると矛盾が生じるので等しい筈だと分かる。

一般的解法 を用いて解く事ができるが、「直列の合成容量の公式」または「キルヒホッフの第二法則」を用いると速い。

問2

まず流れた電気量を算出すれば、自ずと電流の向きも分かる。スイッチS2を閉じるとc地点の電位はEになる。

まずスイッチS2を閉じる前のc地点の電位Ebを求め、そのEとの差と「コンデンサーC1, C2 の電気容量」とをそれぞれ掛けて合計する。

Eb は問1で求めた二つの値どちらからでも求められる。 d地点の電位は0だから、2Eから C1 電位差を引けばいい。もしくは、Q1 = Q2なので、Qを C2 で割る事でも求まる。

問3

設問の行為によって変化したのは、静電容量と電気量である。比誘電率3の誘電体を挿入したので、静電容量Cは3倍になり、それに伴いQも3倍となった。

電気量Qは、「Q = C * V = A * s」という様に単位の組立としては二種類の表し方がある。 求めるのは電流Aなので、 これを利用しよう。

電気量は単位がCなので、静電容量C = ε* S / d と混同しやすいので注意。

問4

スイッチを切った後は電荷の逃げ場がないため、誘電体を取り除く前後で コンデンサーC2 の電気量は変化しない。そして、電気量が一定だと、Q = C * Vなので、静電容量が減る事で電位差が増加するという事に気づくのが肝だ。静電容量Cは3C2 からC2 へ減少すると分かっているので、静電エネルギーの式はU = Q2 / 2C を用いるとよい。

問5

コンデンサーC2 が充電されているのでヤヤコシイが、一般的解法を使える。電圧は C1 が負の値で算出されるが、絶対値で答える。

グラフは、c地点が最も高くなる。 求まるコンデンサーC2 の電圧は3Eより小さいと分かるので、 c地点の電圧は2Eより大きく3Eより小さい。

問1

相対屈折率n12 = sinθ1/sinθ2 = n2/n1 という風に、絶対屈折率の比は関係性が逆になっているので注意。

問2

図では直角三角形BDGが直角二等辺三角形に見えるが、これは偶々なので注意。与えられた距離はdだけなのでこれを利用し、i0とr0それぞれと等しい角度を見つけて値を特定していく。

問3

明るさを最小にしたいという事なので、光路差が (m+1)λ/2 となればよい。mでも良いと思うが、解答ではm+1となっている。

次に光路差を求める。GEとDEの光路長は等しいのは明らか。BGに等しいのは、BF⊥CDとなるのでFDである。したがって光路差はBCFだ。光路差の求め方はトライイットの解説の様に補助線を引く方法が速い。光路差が2nd cosθという式になるのは定番で、憶えていてもいい。

問5

この装置はジャマン干渉計という。

問6

気体の圧力と屈折率が比例するという高度な知識が必要。

「50回光が暗くなる」という表現も意味不明だし、「もとと同じ最大の明るさになった」のは初めてなのか分からないので不適切問題だ。解説によると、「 50回光が暗くなる」は 「 50回光が明るくなったり暗くなったりする」という意味らしい。

空気の屈折率は真空と同じ1なので、求めるのは n1 – 1の数値だ。 n1 – 1 という式は、与えられた「ガスの屈折率の式」に含まれていて、結局はこれを式変形して出すことになる。

方針は、屈折率と波長の情報が与えられているので目星は付くだろう。P1とP2の場合で干渉の式を立て、mをキャンセルする為に辺々引くのだ。

高校数学 筑波大学2019 (平成31/令和1)年度一般入試問題の解説

〔1〕

正接が平面座標における直線の傾きを表すという性質が利用されている。

(2)

正接の加法定理を利用する。途中式では、t=tanθなどとtanθを置き換えた方が記述が速く、ミスも少ないだろう。6tan3θ+tan2θ-1=0の式は tanθ =1/2を代入してみる試行錯誤が必要。

(3)

ここでも加法定理を使う。2つの直線の傾きが分かっていれば、それらがなす角は加法定理で導けるのだ。

OP, OQ, PQ の長さを三平方の定理で求め、余弦定理でcosαを求め、最終的にtanαを求める事も可能ではあるが計算が煩雑なのでやってはいけない。この大問が三角関数をテーマとしている事を意識しよう。

正接の加法定理は覚えていなくても正弦と余弦の加法定理から求められる。

〔2〕

(1)

式の分母が「a+b+c」となっているので、x/a, y/b, z/c をそのまま演算しても証明に繋がらない。そこで両辺を「a+b+c」で掛けて分子化する。

(3)

不等式の真ん中の数式が複雑だが、(1)と(2)が誘導になっており、それを利用すれば簡単。

真ん中の式が1より大きいことと、2nより小さいことを分けて証明する。

もし誘導がないとしたら、分母と分子の各項が類似している事に着目するのがポイント。

〔3〕

(1)

sやtがあるのに更に未知数を増やすのは気が引けるが、ベクトルOPを異なる方法で表せれば、一次独立の考え方によって上手くキャンセルできる。

その準備として、ベクトルOF, FE, OG, GDをa, b, c で表現する。これによって一次独立の解法を適用できる。

(3)

√3 * OP = OA という条件を(1)で求めた式に適用するには、その式を二乗する事でベクトル式を代数式に変換する必要がある。

もし誘導が無いとすると、t=sに気づくのが一つの難関だろう。その為には図を描いて、想像上でも図を明瞭に認識する事が大事だ。

〔4〕

三角関数のべき乗を積分する際は、加法定理を応用して指数が1の形に変換するのが鉄板。

〔5〕

(1)

f(x) = etとおくと、如何にも平均値の定理を使わせたいという意図が見える問題だ。平均値の定理を使った証明方法はパスナビに掲載されている。

これは後にはさみうちの原理として利用される。出題された不等式が次の条件を満たして入れば、はさみうちの原理に利用するものだと確信して良いだろう。

  • 不等式の両端が同じ値を取り得る
  • 不等式の真ん中の式と、両端の式とが同じ変数を持っている

(2)

数列が指数部に入っており、更にそれが対数の真数に入っており、更にそれが新たな数列を構成している。一見すると難しそうだが、n=1, n=2と具体的に数値を代入してみると案外簡単であると気づく。一見しただけで怖気づいて解答を飛ばすのではなく、試行錯誤してみるべきだ。

どちらかというと、この証明を記述する方が大変だ。東進の解答例のように、n+1の場合を考え、xn+1 + yn+1 = yn を示し、それをzn+1の式に代入するのはエレガントなやり方だ。

zn が定数になるのは一見すると不思議だが、

(x8 – 1) = (x4 – 1) (x4 + 1) = (x2 – 1) (x4 + 1) (x2 + 1) = (x – 1) (x4 + 1) (x2 + 1) (x + 1)

が成り立つのと仕組みは同じだ。

(3)

本試験で最大の難問。

(1)や(2)の考え方をそっくりそのまま利用するので、誘導に素直に従って良い。元の数式は真数が「et + 1」という形なのでそのまま(1)を利用する事は出来ない。そこで(2)を利用して「et – 1」を作っている。

これはもし誘導が無ければ難問だ。znの様な形が定数となる事を知識として持っている必要がある。

〔6〕

(1)

z = a + bi と置いても良いが、|z|2 – 2zz + 4 = (z – 2) (z – 2) = |z – 2|2 となる事を知っていると速い。

もし誘導が無ければ、まずは与式をグラフィカルに表す事を方針とするべきだろう。

高校英語 筑波大学 2019 (平成31/令和1)年度一般入試問題の解説

I (第1問)

出典: National Geographic – WE MADE PLASTIC. WE DEPEND ON IT. NOW WE’RE DROWNING IN IT.

問1

答えは”real mystery”の同文の、コロンに続いて説明されている。

There was a real mystery to be solved back then, at least in academic circles:  Scientists wondered why they weren’t finding even more plastic in the sea.

和訳: 科学者らは、なぜ海でプラスチックをもっと見つけられなかったのか不思議に思っていた。

50字程度で書く必要があるので、続く文で詳しく述べられている内容を盛り込む。

World production has increased drastically—from 2.3 million tons in 1950, it grew to 162 million in 1993 and to 448 million by 2015—but the amount of plastic drifting on the ocean and washing up on beaches, alarming as it was, didn’t seem to be rising as fast.

和訳: 世界のプラスチックの生産量は劇的に増加してきた。ところが、漂流したり海岸に打ち上げられるプラスチックは、それなりに深刻ではあるが、生産量の増加傾向に見合っている様には見えなかった。

解答例: 世界におけるプラスチック生産量激増に見合うだけのプラスチックが、海や浜辺で見られないという謎。

問2

In the years since his first beach cleanup, Thompson has helped provide the beginnings of an answer: The (ア) plastic is getting broken into pieces so small they’re hard to see.

和訳: トンプソンが初めて海岸を清掃して以来、彼はこの答えの糸口を提供するのに役立ってきた。(ア)のプラスチックは、視認するのが困難なほどにとても細かく砕けているのだ。

この一文を読んだだけだと解答として”large”を選んでしまいそうだが、これは引っ掛け。文中にあるように、この一文はある疑問に対する”answer”なので、その疑問が書かれた部分を探そう。それは前段落にある。

“That begs the question: Where is it?” Thompson said. “We can’t establish harm to the environment unless we know where it is.”

和訳: そこで「どこに行ったのか?」という疑問が浮かび上がる。トンプソンは言う。「どこに行ったのかを把握しない限り、環境被害を確証することはできない。」

したがって正解は”missing”(行方不明の)。

問3

In a 2004 paper, Thompson coined the term “microplastics” for these small bits, predicting—accurately, (as) it turned out—that they had “potential for large-scale accumulation” in the ocean.

和訳: 2004年の論文で、トンプソンはこの欠片に「マイクロプラスチック」という名をつけて、「莫大な集積をもたらす可能性」を予測ー結果(として)正しかったーした。

ここでは”as”は「~として」という意味で用いられている。 “it turned out”は「結果として」を意味する熟語。


Microplastics have been found everywhere in the ocean that people have looked, from sediments on the deepest seafloor to ice floating in the Arctic—which, (as) it melts over the next decade, could release more than a trillion bits of plastic into the water, according to one estimate.

和訳: マイクロプラスチックは、深海の堆積物から北極の流氷に至るまで、調査が行われた海では必ず検出されている。ある試算によれば、今後10年間で解ける(につれて)1兆個以上のプラスチック片が水中に放出されるという。

ここでは”as”は「~するにつれて」という意味で用いられている。


(As) Thompson and I talked about all this, a day boat called the Dolphin was carrying us through a bay, off Plymouth.

トンプソンと私がそんな話を(しながら)、 私たちを乗せたドルフィン号という日帰り船はプリマスを離れて湾を進んでいった。

ここでは”as”は「~しながら」という意味で用いられている。


一般に本文の複数箇所に同一の単語を埋めるという問題の場合、複数の意味を持つ単語が入り且つそれぞれ異なる意味で用いられる。

問4

該当の英文は次の通り。

In lab tests, they’d watched tiny shrimplike sea creatures that are common in European coastal waters devour pieces of plastic bags and determined they could break down a single bag into 1.75 million microscopic fragments.

和訳: 実験室試験で、彼らはヨーロッパの海岸沿いによくいるエビに似た小型海洋生物がビニール袋の欠片を貪り食うのを観察し、その生物が1つの袋を175万個の微小な破片に分解できると結論付けた。

The little creatures chewed through plastic especially fast, Thompson’s team found, when it was coated with the bacterial slime that is their normal food.

和訳: その小さな生物は、プラスチックの表面に自分たちの餌である細菌がくっついていると、特に速く噛み砕いたことをトンプソンのチームは発見した。

They eventually eliminated the plastic bits from their bodies.

和訳: それらは最終的にプラスチック片を体から排出した。


(A)Tiny shrimplike sea creatures clean up the ocean because they eat plastic bags.

和訳: エビに似た小型海洋生物はビニール袋を食べることで海を浄化する。

海の浄化は記述がない。

(B) Tiny shrimplike sea creatures are commonly found in European coastal waters.

和訳: エビに似た小型海洋生物はヨーロッパの海岸沿いでよく見られる。

内容そのものは正しいが、「lab test でわかったこと」ではない。

(C) Tiny shrimplike sea creatures could break down into very small fragments.

和訳: エビに似た小型海洋生物は非常に小さな破片に壊れるかもしれない。

誤読。小さな破片になるのはこの海洋生物自身ではなくプラスチックである。

(D) Tiny shrimplike sea creatures are normal food for the plastic-eating bacterial slime.

和訳: エビに似た小型海洋生物はプラスチックを食べる細菌のスライムにとっての餌である。

誤読。海洋生物が、細菌が付着したプラスチックを食べたのである。

(E) Tiny shrimplike sea creatures can consume and expel pieces of plastic.

和訳: エビに似た小型海洋生物はプラスチック片を食い尽くして排出することができる。

正解。

問5

Kamilo Point Beach, catches plastic from the North Pacific gyre, the dirtiest of five spinning current systems that (transport) garbage around the ocean basins and (concentrate) it into large-scale accumulations.

和訳: カミロポイントビーチが被るプラスチックごみをもたらしているのが北太平洋旋廻である。これはごみを海盆の周りに(運び)大規模な堆積物として(凝縮させる)5大環流の中で最も汚い。

“(transport) garbage around the ocean basins and (concentrate) it into large-scale accumulations”はfive spinning current systemsの説明となっている。

(ウ)還流はビーチにごみを漂着させる原因となっているのだから、候補は(A)と(D)。

(エ)ごみを溜め込んでいるので候補は(C)と(D)。

問6

Thompson himself doesn’t worry much about microplastics in his fish and chips—there’s little evidence yet that they pass from the gut of a fish into the flesh we actually eat.

和訳: トンプソン自身は自分のフィッシュアンドチップスに含まれるマイクロプラスチックを大して心配していない。魚の胃腸から人間が食べる魚肉の部分にまでプラスチックが入り込むという証拠はまだほとんど無いのだ。

He worries (more about the things that none of us) can see—the chemicals added to plastics to give them desirable properties, and the even tinier nanoplastics that microplastics presumably degrade into. 

和訳: 彼は誰の目にも見えないものープラスチックに必要な特性を持たせるために添加された化学物質と、マイクロプラスチックが更に分解してより微細になると考えられるナノプラスチックをより心配している。

much とmoreが対句のようになっている。

問7

” game changer”はトンプソンの発言なので、一連の彼の発言を読んでみよう。

Nobody has found nanoparticles in the environment—they’re below the level of detection for analytical equipment. 

和訳: 誰も環境中のナノ粒子を発見していません。それらは分析機器の検出レベルを下回っているのです。

問6で読んだ文に出てきた「ナノプラスチック」について言及しているようだ。この前の段落の最後の一文は次の通り。

Those might pass into the tissues of fish and humans.

和訳: これら(ナノプラスチック)は魚やヒトの組織に入り込むかもしれない。

再びトンプソンの発言に戻ろう。

People think they are out there. 

和訳: それでも、人々はそれらが存在すると思っています。

They have the potential to be stored in tissue, and that could be a game changer.

和訳: それらは組織に保存される可能性があり、それがゲームチェンジャーになるかもしれません。

「誰も環境中のナノ粒子を発見していません」という記述は、言及されている物質がマイクロプラスチックではない事を意味している点で重要だ。つまり「プラスチック」や「マイクロプラスチック」ではなく「ナノプラスチック」と記述する必要がある。

解答例: ナノプラスチックが体内組織に蓄積されれば、人体にとって有害な状況に変わる可能性がある。

II(第2問)

出典: Smithsonian – Scientists Discover Evidence of Early Human Innovation, Pushing Back Evolutionary Timeline

問1

These newly discovered activities approximately (date) to the oldest known fossil record of Homo sapiens and occur tens of thousands of years earlier than previous evidence has shown in eastern Africa.

和訳: 新たに見つかったこれらの活動は、ホモサピエンスに関する既知の最古の化石記録の頃から始まり、東アフリカで見つかったこれまでの証拠より数万年早く起きている。

  • (A)正解。ここでの”date”は「から始まる」という意味で、”approximately date to~”で「~頃から始まる」 を意味する。
  • (B)”due”を用いると「新たに見つかった活動は化石記録に起因する」という不自然な文になる。
  • (C)activitiesが”estimate”の主語になるのは不自然。
  • (D)”originate”は(B)と同じ理由。
  • (E)”approximately prove”は不自然。

問2

The new discoveries, reported in three studies published March 15 in the journal Science, indicate that these behaviors emerged during a period of tremendous environmental variability in the region.

和訳: 3月15日付のScience誌に掲載された3つの研究で報告された新発見は、これらの行動がこの地域の著しい環境変動期に現れたことを示している。

直前の文を読んでみよう。

Evidence for these significant events in humans’ development comes from the Olorgesailie Basin in southern Kenya, which holds an archeological record of early human life spanning more than a million years.

和訳: 人類の発展におけるこれらの重要な出来事の証拠は、100万年以上に及ぶ初期の人類の生活の考古学的記録を持つケニア南部のオルゲサイリー盆地から来ています。

この文では”these behaviors”は”these significant events”と表現されているようだ。次に前段落の最後の文を読むと、再び “these behaviors” が現れる。

These behaviors, which are characteristic of humans who lived during the Middle Stone Age, replaced technologies and ways of life that had been in place for hundreds of thousands of years.

和訳: 中世石器時代の人間の特徴であるこれらの行動は、何十万年もの間続いてきた技術や生き方に取って代わりました。

更に直前の文は問1で読んだのでその前の文を読んでみよう。

Anthropologists at the Smithsonian’s National Museum of Natural History and an international team of collaborators have discovered that early humans in East Africa had—by about 320,000 years ago—begun trading with distant groups, using color pigments and manufacturing more sophisticated tools than those of the Early Stone Age.

和訳: スミソニアン国立自然史博物館の人類学者と共同研究者の国際チームは、 東アフリカの初期の人類が約32万年前までに、遠く離れた集団との交易を始め、顔料を使い、初期石器時代よりも洗練された道具を製造していたことを発見しました。

結局最初の文まで遡ってしまったが、 “these behaviors”は” trading with distant groups, using color pigments and manufacturing more sophisticated tools than those of the Early Stone Age “を指していると分かった。

解答例: 東アフリカの約32万年前の人類による、遠隔地との貿易、顔料の使用、石器時代初期以上に高度な道具の製作。

” groups “の後にカンマがあることに注意。これが無いと「顔料を使って遠隔地と貿易した」という誤読になる。

問3

The diverse chemical composition of the artifacts matches that of a wide range of obsidian sources in multiple directions 15 to 55 miles away, suggesting exchange networks were (in place) to move the valuable stone across the ancient landscape.

和訳: 出土品の多様な化学組成は、15~55マイル離れた様々な方角にある広範囲の黒曜石源と一致しており、これは貴重な石を当時の状況で移動させるための交換ネットワークが整備されていたことを示唆している。

  • (A)”at stake”は「危機に瀕している」という意味で文意に沿わない。
  • (B)”in charge”は「担う」という意味だが、人に対して使うので不適。
  • (C)”in place”はここでは「整備されている」という意味。
  • (D)”on porpose”は「意図的に」という意味。
  • (E)”on time”は「時間通りに」という意味。

問4

The team also discovered black and red rocks at the sites, along with evidence that the rocks had been processed for use as coloring material.

和訳: またチームはその遺跡で、黒と赤の岩を、その岩が着色材として使用するために加工されていたという証拠も合わせて発見した。

「具体的にどのような目的で使用されたか」と問われているので、続く文も読んでみよう。

We don’t know what the coloring was used on, but coloring is often taken by archeologists as the root of complex symbolic communication,” Potts said.

和訳: ポッツは「着色が何に使われていたかは分かりませんが、考古学者はしばしば複雑な記号的コミュニケーションのルーツとなっていると考えます。」と話す。

“Just as color is used today in clothing or flags to express identity, these pigments may have helped people communicate membership in alliances and maintain ties with distant groups.”

和訳: 今では色というものがアイデンティティを表現する為に衣装や旗に用いられるように、その顔料は同盟の構成員である事を伝えたり、遠隔地の集団との関係を維持しることに役立ったのかもしれません。

解答例: 同盟の構成員である事を伝えたり、遠隔地の集団との関係を維持したりする目的。

問5

Environmental variability would have presented significant challenges to inhabitants of the Olorgesailie Basin, prompting changes in technology and social structures that improved the likelihood of securing resources during times of shortage. 

和訳: 環境の変動性は、オルゲサイリー盆地の住民に大きな課題をもたらし、技術と社会構造の変化を促し、不足時の資源確保の可能性を高めた。

同段落から資源(resource)について述べている文を探すと、二文目にある。

Their findings suggest that the period when these behaviors emerged was one of changing landscapes and climate, in which the availability of resources would have been insufficient.

和訳: 調査結果は、それらの行動が出現した頃は、資源利用性が不十分であるような状況や気候が変動していた時期の一つだった事を示唆している。

解答: time when (the availability of resources would have been insufficient)

問6

(A)Archeologists revealed that color pigments found at ancient sites had been used to dye flags and clothing materials.

和訳: 考古学者は、古代遺跡で見つかった顔料が旗や衣服の素材の染色に使用されていたことを明らかにした。

×」問4で読んだように、ポッツは何に使用されていたかは不明であると話しており、 旗や衣服の素材の染色に使用されているのは現代である。


(B)The Smithsonian team discovered that artifacts at at the Middle Stone Age sites contained materials originating from various regions.

和訳: スミソニアンのチームは中石器時代の遺跡の出土品が様々な地域に由来する物を含んでいた事を発見した。

問3の内容が含まているのでその段落を読んでみよう。

While the handaxes of the earlier era were manufactured using local stones, the Smithsonian team found small stone points made of non-local obsidian at their Middle Stone Age sites.

和訳: handaxeは初期には地元の石で作られていたが、スミソニアンのチームは中石器時代の遺跡で地元産ではない黒曜石で作られた小さな石の先端を発見した。


(C)The oldest fossil found in East Africa shows evidence that early humans had more advanced technologies that previously believed.

和訳: 東アフリカで見つかった最古の化石は、初期の人類が持っていた技術がこれまで考えられていたより先進的だったという証拠を示している。

×」 問1で扱った内容。初期の人類が持っていた技術が、ホモサピエンスの最古の化石の時代とほぼ同時期であり、それは東アフリカで見つかった証拠より数万年も早いというのが正しい。


(D)Recent advances in archeological techniques for analyzing fossils have overturned our common understanding of early human behaviors.

和訳: 化石を分析するための考古学的手法の最近の進歩は、初期の人類の行動に対する我々の常識を覆した。

×」化石の分析手法に関する記述はない。


どの選択肢もこれまでの問が対象とする文を読めば分かる。(D)は記述がないので全文をざっと目を通せばよい。

第3問

出典: JAGRAN Josh – Self studies vs Classroom studies: Which one is better way to learn?

高校数学IIB センター追・再試験 H31 (2019)年度の解説

本試より全体的に難しい。

問題, 解答

第1問

〔1〕

(2)

直線が接している曲線が円であるので、「点と直線の距離の公式」を利用するのが筋が良く、この解法が最も速い。また、二つの図形の共有点が一つである事に着目して二次方程式の判別式を用いる方法もあるが、遅い。

接線の傾きと法線が円の中心を通る事を組み合わせると良い。

(3)

線分OB – 線分OAという計算は余りに煩雑。円の弦の長さを求めるという事なので、(2)で使った「円Cの中心と直線lの距離」と三平方の定理を使って解く。4点という高配点なのは、円の性質を活かさないと解けないからだろうか?

AB=2 という事は円Cの中心を通るので計算するまでもない。

〔2〕(3)

数学的読解力が必要な応用問題。

[ヌ]でlog k 2 が正の小数となる事を確認している。

[ネ]は、対数記号の無い式を作るために左辺にも対数記号を導入した上で両辺を比較する事で打ち消している。

[ハヒ]は、kが大きくなればmは小さくなるという対数の性質に注意。与えられた不等式からはkを幾らでも小さくできそうだが、小数点第一位が3になってはいけないので、2/10 ≦ log k 2< 3/10 である。

第2問

誘導が下手で、数学とは無関係の推理力が試されている。

(1)

q=-3p と分かったので、今後はqを使わないで計算が進んでいく。

接線の傾きが最小となるのは、曲線Cは奇関数なのでs=0と分かる。

(2)

ここまでで躓いていても、y=-x との共有点は、曲線Cは奇関数なので1か3しか有り得ない所までは絞れる。グラフを描いて接線と y=-x を比較すると分かりやすい。

[セ]は、「r=∞」∧「pの値に上限と下限がある」ならば共有点は1しかない。[ソタ]は接線の傾きが-1以下なら共有点が1個に抑えられるので、-3p=-1 より1/3と分かる。

(3)(4)

(2)で躓いていても全て解けるし難しくない。13点分あるので捨てるのは勿体ない。大問の終盤問題は配点が高いので目を通しておこう。

第3問

(1)部分分数分解した式の各項の分母の差がこの問題のように「2」であれば、数列の和は、初めの2つの正数と最後の2つの負数が残る。

(2)難しくはないが、計算量がやたら多くて辟易する。コンピューターがある時代に計算力を求めるのは甚だ時代錯誤である。

第4問

(1)仮にOPとOQの長さが異なっていても、長さを揃える事でOAを求められる。

高校理科(化学) センター本試験 H31(2019)年度の解説

解説

第1問

問2

計算しなくても、単位格子の原子の数と求めた後にモル質量Mとアボガドロ定数が比例する点に着目すれば正しい選択肢を選べる。

問5

  • (4)アルキル基の炭素数が増えると無極性を帯びてくる。
  • (5)四塩化炭素は正四面体の構造なので無極性。

第2問

問1

過酸化水素は「2H+2O」という最も高いエネルギー状態にするために、「O-Oの結合エネルギーを与える」という操作を一回、「O-Hの結合エネルギーを与える」という操作を二回する必要がある。

問3

硝酸銀水溶液と塩化ナトリウム水溶液を同体積ずつ混合するとモル濃度をそれぞれ1/2で計算する必要がある。

問5

選択肢の数式の複雑さを見てやる気が失せるね。まず、問題内容を正確に把握する必要がある。硝酸アンモニウムの溶解熱が溶液全体に広がり熱を下げたのだ。

初めにこの溶解熱を算出する。- 26 kJというのは硝酸アンモニウム1 molあたりの熱量なので、1 gあたりにすると- 26 / M (kJ / g)だ。実際に発した熱量は – 26 m / M (kJ) である。

これが溶液全体に広がり温度を変化させた。なのでこの熱量と比熱c と水溶液の質量 Vd+m を使って立式する。

計算する前に、吸熱反応なので符号がマイナスのものと、単位がKになるものを選ぶことで選択肢2と4に絞れる。また、温度が変化するのは水そのものではなく硝酸アンモニウムも含んだ水溶液なので、対象となる質量は「Vd+m」である。

第3問

問2

  • (2)アルカリ金属とアルカリ土類金属は激しく反応する。 Beは高温水蒸気、Mgは沸騰水と反応する。
  • (3) BeとMgは炎色反応陰性。
  • (4)炭酸塩と硫酸塩はアルカリ金属は可溶だがアルカリ土類金属は難溶。

問3

  • (1)ちなみに過剰のNaOHを加えても溶解しない。
  • (2)ちなみに過剰のNaOHを加えても溶解しない。
  • (3)ちなみにFe2+だと青白色の沈殿。また、[Fe(CN)6]3-にFe3+を加えると褐色溶液になる。
  • (4)配位数4の錯イオンは基本的には正四面体。Cu2+が正方形となるのは、実はこの錯イオンは[Cu(NH3)4(H2O)2]2+という配位数6の正八面体であり、H2O を省いて表している為(セルロースを溶かすシュヴァイツァー試薬がこの構造を持つ)。

問4

  • 1.白金触媒を使うのは一酸化窒素が不安定で生成しにくいのを補うため。
  • 3.ちなみに一酸化炭素も水に不溶だ。二酸化窒素は可溶。
  • 4.有色の気体としてCl2(黄緑)、NO2(赤褐)、O3(淡青)がある。

問5

それぞれの分子式とAg2CrO4が沈殿すると知っている必要がある。クロム酸カリウムイオンと銀イオンの比が1:2なので、試験管番号4で最大量の沈殿を得られる。選択肢は1と2に絞られたので試験管番号4の具体的な沈殿生成量を計算する。計算は積より和を優先して全体の分子量は332、物質量は4.0 * 10-4。桁を計算するまでもなく(1)が正解。

第4問

問1

5.置換反応によりクロロベンゼンが生じる。ヘキサクロロシクロヘキサンは紫外線照射による付加反応で生じる。ベンゼン環は安定した構造なので、それを壊す付加反応は置換反応より大きなエネルギーが必要となる。

問3

還元されているわけだから、Hが多くOが少ないものを候補として選ぶと良い。

問4

カルボニル基を持つので、環状構造は除外される。その上で分岐構造物も含めて数える。

問5

メタンの沸点は- 162℃なので装置Bは不適。メタンの分子量は16で空気は平均分子量29 なので装置Cは不適。

第5問

問2(1)アセテート繊維は、セルロースをアセチル化して加水分解して作られる。

第6問

問1

ホルムアルデヒドは基本的には分子同士を繋げて網目状にする為に脱水縮合して用いられる。したがって樹脂はホルムアルデヒドを用いる。

また繊維の一種であるビニロンは、ポリビニルアルコールがポリマー内に持つ ヒドロキシ基の幾つかをホルムアルデヒドが脱水縮合(アセタール化)して作られる。アセタール化によってヒドロキシ基が減少し、水に溶けなくなり繊維として使える。

アクリル繊維はアクリロニトリルが付加重合したもの。

第7問

問1

  • (2)二糖類は全てC12H22O11で表される異性体である。
  • (3)スクロースは果糖とブドウ糖になる。転化糖は蜂蜜やジャムなど身近にある。
  • (4)糖類の還元性は、グルコースの炭素1位が開環して鎖状に変化した際に、アルデヒド基を持つため(ヘミアセタール構造)。マルトースは1位と4位がグリコシド結合するので1位が一つ残り、還元性を持つことになる。
  • (5) ラクトースはβガラクトースとβグルコース に分解する。二分子のグルコースになるのはマルトースやセロビオース。

高校理科(化学) センター本試験 R2 (2020)年度の解説

東進の解説

第1問

問1

(2)一価の陰イオンになっても半径は変わらなそうだが、価電子同士が反発しあって大きくなる。これを知っている人は少ないだろう。

(4)の内容が誤りを含むので正答。単体の酸化作用が原子番号が小さいほど強いのは、最外殻と原子核との距離が短くクーロン力が強いため。(5)も同じ理由である。

問3

混合気体の状態方程式で扱う場合は平均分子量を算出する必要がある。

問4

液面より上にある試験管内の物質の重量は常に等しいという点に着目して立式する。水銀柱の問題は、気圧=P、水銀柱の高さ=a、気液平衡時の水銀柱の高さ=b とすると、飽和蒸気圧はP(a-b)という簡単な式で表される。

問5

この問題はファントホッフの法則を知っていないと解けない。計算が煩雑な割に選択肢から正答を特定しにくい。

第2問

問1

生成熱の反応熱を求める場合は、反応式を、右辺の生成物を1 mol として揃える。したがって熱化学方程式は「3Fe + 2O2 = Fe3O4 + Q(kJ)」となる。

問4

元のグラフに変化を及ぼす要素として、反応速度とルシャトリエの原理の二つが絡んでくる。条件Iでは、反応速度が下がる事に加えて、温度を下げる事でそれを補おうと熱を発する状態に平衡が移動する。

問5

この色素は、pH5以下の時にハッキリと赤くなり、pH7以上の時にハッキリと黄色くなる。したがって指示薬として利用するには、中和点に達した際に「黄→赤」または「赤→黄」という色の変化を観察できることが条件だ。ゆえに滴定曲線が急峻になっている領域にpH5~7を含んでいるアとエが正解。

第3問

問1

(4)ストロンチウムはアルカリ土類金属なので炎色反応(深紅色)を示す。

問2

  • (1, 2)水酸化銀と水酸化銅は共に熱的に不安定なので、脱水して酸化物となり沈殿する。
  • (3)二酸化マンガンは触媒として働いている。H2O2がもう一つのH2O2に水素を与えて水を生成しているので還元剤。
  • (4)フッ化水素酸と反応して錯体のヘキサフルオロケイ酸H2[SiF6]になる。

問3

操作Iは塩化物イオンと沈殿を作る主な塩を問われた簡単な問題。系統分析の問題は必ず錯イオンの発生を扱うので、操作IIは錯イオンを作るものと分かる。

過剰NaOHで錯イオンを作る金属イオンは両性元素。AlとZnはどちらも両性元素なのでろ液となってしまうので不適。したがって過剰アンモニアと分かる。

ちなみに、硝酸は沈殿を作らないので不適。硫酸もアルカリ土類金属と鉛以外とは沈殿を作らない。過剰アンモニアで作られる配位子はNH3で、金属イオンはCu2+, Ag+, Zn2+

問4

A: Ca(OH)2, B: CaCO3, C: Ca(HCO3)2, D: CaO

(1)アルカリ金属とアルカリ土類金属の水酸化物は全て強塩基。

問5

この反応式は、正極と負極それぞれの反応式を纏めたものなので、電子のやり取りが分かり難い。それでも、放電時のNiの酸化数の変化量が-1であることや、水素吸蔵合金が一つの水素をやり取りしている事から、Niの1 molに対して電子も1 mol がやり取りされていると分かる。

この電池については松永プレシジョンの解説が詳しい。

第4問

問1

化合物の物質量を立式すると 30 * 10-3 / (140 + n) となるが、これを上手く約分するnの値は選択肢2だ。

問4

含まれている原子の種類が多いものが光学異性体である確率が高い。

問5

a

  • (1)エステル化を促すために濃硫酸の脱水作用を利用した。
  • (2)H2SO4 + NaHCO3 → NaHSO4 + H2O + CO2
  • (3)エーテルは水より軽い。
  • (4)酢酸エステルは果実臭を持つ。

第5問

問1

実は分子構造や構成分子を憶えていなくても解ける。

  • a: アミド結合を持つポリアミド系合成繊維はナイロン6とナイロン66の2つであり、ナイロン66の「66」の由来はアジピン酸とヘキサメチレンジアミンがそれぞれ炭素原子を6個持っているから。
  • b: ゴムは主鎖に二重結合を持っている。またゴムは付加重合または共重合によって出来ているので、二重結合を持つ分子が元になっている。また、SBRは ベンゼン環を含んでいるので強度が高く、「スチレン・ブタジエンゴム(styrene-butadiene rubber)」の略でもある。

第6問

問1(2)架橋構造は、ホルムアルデヒドを脱水縮合して橋渡して出来ている。

第7問

問1

(1)三次構造を安定化させる結合にはジスルフィド結合(S-S結合)、イオン結合、水素結合、疎水結合がある。

高校公民(現代社会) センター追再試験 H31 (2019)年度の解説

問題 , 解答

第1問

問1

  • (2)第一反抗期は幼児期にあるもので、 第二反抗期 は青年期。
  • (4)レヴィンは青年期について「マージナルマン」として分析した。

問3

  • (1)説明文はキチンの波。クズネッツの波は 建設投資の変動による 約 15 年~ 25 年周期の波。
  • (2)説明文はジュグラーの波。コンドラチェフの波は 技術革新による約 50 年~ 60 年周期の波。
  • (3)デフレーションの説明。

問4

(3)労働組合法が労働三権を規定している。労働関係調整法は労働争議や争議行為について規定している。

問6

  • (1)1998年に金融監督庁、2000年に金融庁が設立。
  • (3)不動産市場や株式市場への資金流入という需要サイドが原因。
  • (4)引き下げが一因。

問7

  • (2)外貨準備ではなく硬貨。
  • (4)これは「銀行の銀行」の説明。紙幣を独占的に発行するのが発券銀行。

問8

(3)日本企業はドルを手に入れる事になる為、ドルを売って円を買おうとする。ゆえに円高ドル安になる。

第2問

問1

(1)国連の経済社会理事会(ECOSOC)が認定する。

問2

  • (1)PKO協力法に基づいている。
  • (2)憲章上の規定はない。
  • (4)平和のための結集決議は朝鮮戦争を巡るもの。

問3

  • (2)説明は長距離越境大気汚染条約。ワシントン条約は絶滅の恐れのある野生動植物の取引を規制する条約。
  • (3)説明はウェストファリア条約。不戦条約は第一次世界大戦後に締結された。
  • (4)国際人権規約ではなく女子差別撤廃条約。

問4

ICCは個人を対象として非人道的犯罪を裁く。国家間の紛争を解決する機関は国際司法裁判所(ICJ)。

第3問

問1

  • (1)『沈黙の春』の著者はレイチェル・カーソン。ボールディングは「宇宙船地球号」という比喩を用いたことで有名。
  • (2)説明はフランシス・ベーコン。
  • (4)アメリカは同年にパリ協定離脱を宣言して他国と足並みを揃えなかった。

問2

(2)後期高齢者医療制度は、医療費の財政負担を緩和するために、老人医療を無償から有償にしたもの。

問4

  • (1)説明はシュヴァイツァー。
  • (3)説明は曹洞宗の道元。浄土宗の法然は、ただ「南無阿弥陀仏」を唱えるだけで誰もが救われるという専修念仏を説いた。
  • (4)説明は真言宗の空海。日蓮は南無妙法蓮華経を唱える事で永遠の真理の象徴である久遠実成の仏と出会い、誰もが現世に浄土を見て即身成仏できるとした。

第4問

問6

(1)裁判官の身分を失うほか様々な権利を失う

問7

  • (2)内閣総理大臣ではなく内閣。
  • (4)内閣ではなく国会。

問8

(4)「国際連合中心」「自由主義諸国との協調」「アジアの一員としての立場の堅持」が三原則。

第5問

問1

  • (1)説明はデモンストレーション効果。
  • (3)ペイオフ解禁は、バブル崩壊後の金融危機を受けて、金融機関の預金の保証額に上限が与えられたこと。

第6問

問3

(3)説明は固定価格買取制度。コージェネレーションはエネルギー源の排熱からもエネルギーを取り出す仕組み。

問4

  • (1)行政手続法は、法的根拠のない行政指導という慣習を改善するのが狙い。
  • (2)予算委員会は国会の常任委員会である。
  • (3)行政裁判所は大日本帝国憲法下で規定されていた、司法権から独立した特別裁判所。行政訴訟は民事裁判の一種である。
  • (4)国や地方公共団体に請求できる国家賠償請求権が憲法第17条に記されている。

高校理科(化学) センター追再試験 H31 (2019)年度の解説

問題 , 解答

第1問

問2

質量モル濃度は分母が「溶媒の質量」である点に注意。質量モル濃度は、沸点上昇・凝固点降下の場面でしか出番がない。

問3

操作Iで体積を減らすと、気体の状態方程式に則れば圧力は増える筈だが、実際には圧力は変わらない。このような直感に反する現象が起きる原因は、容器内が気液平衡…つまり蒸気圧が飽和蒸気圧に達しているからだ。この状態だと圧力が増した分の水蒸気が液体に変わるので蒸気圧はそれ以上は上がらない。

気体の状態方程式は、物質が気体以外の相へは変化しないという条件の上でのみ成立するのだ。

問4

  • (2)配位数は、体心立方格子ならすぐに分かるが、面心立方格子はイメージし難いので絵を描いてみると良い。
  • (4)「すべて」という表現は注意。共有結合結晶は種類としては寧ろ少ない。他に分子結晶、イオン結晶、金属結晶がある。

問6

(1)滴下したそれぞれのNaCl水溶液とNa2SO4水溶液に含まれるNa+の物質量は同じだ。にもかかわらず沈殿発生に違いが出ているという事は、沈殿に作用したのは陰イオンの方だという事だ。すなわちこのコロイドは正に帯電している。

(2)実験Iから0.1mol/L のSO42-があれば沈殿が生じる事が分かったので、K2SO4でもOK。

ちなみに実験Iで、塩化ナトリウム水溶液を滴下しても沈殿しなかったのに、濃度が半分の硫酸ナトリウム水溶液で沈殿したのは、凝析の効果がイオンの価数の6乗に比例するという「シュルツ・ハーディの法則」によるもの。

(3)白濁したのは、FeCl3と水の反応後に生じたHClがセロハンを透過し、硝酸銀と反応してAgClの沈殿を生じたため。

(4)HClの水素イオンが透過した事を示している。

第2問

問1

混合気体の物質量は2mol なので、プロパンの物質量をx mol、 ブタンの物質量をy molとして連立方程式を解くことでxが求められる。しかし選択肢の数値を代入した方が速いだろう。

酸素の物質量は、5 * 0.6 + 6.5 * 1.4 = 12.1となるが、「 6.5 * 1.4 」を「6 * 1.5」にして暗算すると速い。

問2

電流の向きはイオン化傾向を知っていれば解ける。

質量の変化を求めるには、まず亜鉛イオンと銅イオンの価数を知っている必要がある。金属イオンの内、アルカリ金属と銀以外の価数は基本的に2以上である。 亜鉛イオンと銅イオンはともに2価なので物質量の変化はないが、原子量は亜鉛の方が大きいので減る。

問3

陽極と陰極から気体が発生したと書かれているので、陰極で発生した気体は水素である。したがって電解質の内、陽イオンのイオン化傾向が水素より小さいものは不適。ゆえに(1)か(3)だ。

陽極と陰極で発生した気体の物質量が1 : 2 であるので、陽極では2価の陰イオンが反応していると分かる。それは酸素なので(1)が正解。

問4

与えられた式に数値を代入すると、p NH3は9.0 * 105になる。指数を含む計算ではあるが出題者も煩雑にならない様に配慮しているので安心しよう。

気体の分圧と物質量は比例するので、左辺の物質量の総和が右辺のそれの2倍という事は、 NH3 の反応前の分圧は2倍だったという事だ。したがって合計18 * 105 PaのN2とH2が反応したわけだ。この内の1/4にあたる4.5 * 105 Paが反応したN2なので、反応前には5.5 * 105 Paだったわけだ。

問5

緩衝液は、弱酸(塩基)とその塩による水溶液である。中和してしまっている水溶液は緩衝液ではないので、(2)と分かる。

問6

まず、pHが大きいほどxも大きくなるので、右肩上がりのグラフに絞られる。

正攻法は[H+] = (CKa)0.5 の公式を用いる事。代入して10-pH = (10-1 * 10-x)0.5 となる。

公式を使わずとも、与えられた式を使う事もできる。[H+] = [A]より、10-pH * 10-pH / 10-1 = 10-x である。

いずれも 2pH = x + 1 というグラフになる。

第3問

問1

シリカゲルは、網目状の構造をしているので吸水作用があり、乾燥剤などに利用されている。この網目構造を作るには鎖状のケイ酸H2SiO3を脱水縮合させる必要があるのだが、二酸化ケイ素SiO2は4配位の結晶であり水と反応しない為、直接はケイ酸にならない。

そこで、まずはケイ酸をNaOHなどと反応させケイ酸ナトリウムNa2SiO3にして、更に水に溶かす事で鎖状構造の水ガラスを作る。ここにHClを反応させる事でケイ酸を得るのだ。

ソーダ石灰ガラスもシリカゲル同様に乾燥剤。名前から分かるようにCaが含まれているが、問題文ではCaは関わっていないので不適と分かる。

問2

(3)濃硝酸が酸化剤として銀に作用し二酸化窒素を発する。

(4)ギ酸はアルデヒド基とカルボキシ基を併せ持つ。これに濃硫酸を反応させると脱水作用によってH2OとCOに分解される。

問3

金属はそれぞれ、(A)Hg, (B)Sn, (C)W, (D)Ti, (E)Ag である。遷移元素の特徴として融点が高い事、硬い事が挙げられ、この特徴に合わない金属を元素を特定せずに絞り込む事ができる。

問4

実験I: まず、KとNaはアルカリ金属なので沈殿しない。Na[Al(OH)4]に希塩酸を加えるとAl(OH)3の白色沈殿が生じ、更に加えるとAlClとなり溶ける。

実験II: 硝酸イオンは沈殿を生じないので、銀イオンと溶液の陰イオンが沈殿を作ったと分かる。KBr は硝酸銀との反応で淡黄色のAgBrの沈殿を生じる。KOHはAgOHを作るが、Cu(OH)2と同じく熱的に不安定な為Ag2Oとなり褐色の沈殿となる。

問5

炭素の2つの反応式を使って生成したAlの物質量を特定する訳だが、電子と酸素のどちらに着目しても使っても導ける。流れた電子は7000mol、消費した酸素は3500molだ。何れにせよ、2つの式から導いた電子または酸素の物質量は予め足し合わせておいた方が計算は速い。

第4問

問1

結合した原子同士はできる限り離れようとする。共有結合を4つ持つ炭素原子は、他の原子と正四面体型に繋がるので直線状にならない。二重結合を持つ炭素原子は、三角形型になるので同様。三重結合を持つ場合は直線状になる。

問2

アルカンが置換反応を起こすには光が必要なので、これは付加反応である。ハロゲンは、付加反応に紫外線が必要で、置換反応には触媒が必要なので、反応しない。したがって2か3に絞られる。

問3

  • (1)ギ酸はアルデヒド基が酸素を奪うので還元性を持つ。
  • (2)オレイン酸は二重結合が1個、リノール酸は2個、リノレン酸は3個。C17HnCOOHが直鎖アルカンならば、Hがカルボキシ基を除く炭素原子16個に2個ずつ、末端Cに3個あるのでn=35だ。ここではn=29なので二重結合が三つあると分かる。
  • (5)マレイン酸はシス型なのでカルボキシ基同士で脱水縮合し五員環となるが、フマル酸はトランス型なのでカルボキシ基同士が離れており反応しない。

問4

問題文から、構造は五員環とC一つであると分かる。この結合が飽和であればC6H12であるがHが2個少ないという事は二重結合を一つ持っているという事だ。この構造の結合を二重にできるのは4か所。

問5

a

化合物Cは安息香酸、化合物Dはアセトフェノン。NaOHで反応するのは化合物Cで、中和反応によりカルボン酸ナトリウム塩になるので水層に移る。塩酸を加えると弱酸遊離反応で元の安息香酸に戻りエーテル層に移る。

b

  • (1)アルデヒドに対する銀鏡反応
  • (2)ヨードホルム反応
  • (3)アニリンを加えると紫になる。
  • (4)フェノール類に加えると青~赤紫色になる。

第5問

問1

  • (1)ポリプロピレンは容器などに用いられる。接頭辞として「ポリ」が付くなら熱可塑性樹脂だ。
  • (2)紙おむつは、吸水性樹脂であるポリアクリル酸ナトリウムが電離する事で、浸透圧と膨張により吸水する。
  • (3)デンプンの中ではアミロースは鎖状だがアミロペクチンは分岐を持つ。
  • (4)アラミド繊維は テレフタル酸ジクロリド と p-フェニレンジアミンのHClを排出して縮合するアミド結合の一種だ。

問2

エステル化はカルボン酸とアルコールの脱水縮合なので、メタノールが正解。アセチル化というくらいなので無水酢酸とすぐわかる。

第6問

問1

Aはクロロプレンを付加重合したクロロプレンゴム。高校化学で登場する高分子化合物は主鎖に二重結合を持たないが、ゴムは全て持っている。

Bはεカプロラクタムを開環重合したナイロン6。

第7問

問1

  • (1)ヨウ素はデンプンの螺旋構造の中に入り込む事で呈色するが、加熱すると螺旋構造がほどけるため色が消える。冷却すると構造が復活するので再び呈色する。
  • (2)トリペプチド以上が条件である。これは、まずNaOHによって二つのペプチド結合からH+を奪い、そこにCu2+を配位させるためである。
  • (4)赤紫〜青紫色に呈色する。

問2

塩基アがAdenine、イがGuanine、ウがCytosine、エがThymine。名前が分からなくても解けるが。

塩基対を作るのはA-T (水素結合2個)、G-C (水素結合3個) の組み合わせ。したがって、アとエをそれぞれ2倍、イとウ をそれぞれ3倍したものの和が正解。